リサイクル率日本一の鍵は生ごみと農業廃棄物(バイオマス)の堆肥化にあります。これにより発生するごみの半分以上がリサイクルされます。農村部特有のこととはいえ、資源循環に求められる根本を突き付けられた思いでした。堆肥工場で生産される堆肥は農家に安価に販売され、好評を得ています。分別をしっかりとしているため、堆肥中の不純物(プラごみ、金属ごみ)は極めて少ないです。尚、堆肥の生産量が限定されるため、地域外には販売されていません。
生ごみ以外は分別されてリサイクルセンターに運ばれます。再資源化できるものは、手作業を含めて細かく回収されます。プラごみは近隣の製鉄施設に運ばれ、コークス炉にて鉄の生産に利用されています。最終的に残ったごみは埋立処分されます。埋立処分場は通常、一般人が立ち入れないのですが、大崎町では見学させてもらえました。埋立ごみに生ごみが含まれないので悪臭を感じませんでした。
参考までに隣国の韓国のおけるごみの現状をお伝えします。韓国は日本と同様に国土が狭いですが、ごみの焼却率が25%と低いです。韓国では1997年に生ごみの分別が義務化され、2005年にはごみの埋立が禁止されました。2011年からは“スマート生ごみ回収箱”が設置され、生ごみの処分費用が月決めで決済されます。このシステムにより生ごみが大幅に削減され、家庭ごみのリサイクル率は86%に達します。日本でも生ごみを別途回収するシステムを、焼却によるごみ処理と並列できないのでしょうか。今後の資源循環に向けた重要な社会課題になると思われます。